江川崎駅は、宇和島と窪川のちょうど中間付近にあり、列車の交換が行われます。四万十川に近い静かな駅です。駅の隣には、四万十川ふるさと案内所があり、ちょっとしたお土産などを売っているほか、レンタサイクルの貸し出しをしています。料金は1日1000円で、少し高いですが、そのかわりよくあるママチャリではなく21段変速の立派なマウンテンバイクを貸してくれます。このあたりはアップダウンもけっこうあるので、これはありがたかったです。また、決められた場所では乗り捨ても可能になっていて、なんと40キロも離れた四万十川下流の中村駅(土佐くろしお鉄道)でも乗り捨て可能です。今度機会があれば挑戦してみたいです。
駅から川の上流に向かって走ると、長生沈下橋、中半家沈下橋、半家沈下橋という3つの沈下橋を見ることができます。列車の時間の関係で2つめの中半家沈下橋まで行って折り返しました。
これがその沈下橋です。隣にある普通の橋と比べるとその違いが分かると思いますが、まず橋そのものがとても低い位置にあります。そのため沈下橋という名前の通り、川が増水したときは橋が丸ごと沈んでしまいます。そのときの水の抵抗を減らすため橋には柵がついていません。これを思いついた人の発想はすごいと思います。川の流れに逆らうことなく橋そのものを沈めてその力を受け流すというアイディアによって、コストをかけずに流されない橋が作られ地域の人の役に立っています。
洪水でも流されないようにするのが第一の目的の沈下橋ですが、実際にわたってみるとなかなか面白い橋です。柵がなく低い縁石みたいなのがあるだけで、車がやっと一台通れる程度の幅です。
自転車で渡っているとなんと正面から軽トラックがやって来ました。どうやって避けようか?と焦りましたが、橋の真ん中あたりに少し広くなっているところがあり、無事すれ違うことができました。歩行者や自転車が退避できるようにスペースが設けられているようです。車と自転車ならばいいですが、車同士の場合、橋の手前でお互い譲り合わないと大変なことになります。
沈下橋はとても低く、水面から2〜3メートルくらいの高さしかないので、川の流れを間近に感じることができます。最後の清流と言われただけあって水の透明感は素晴らしかったです。
沈下橋は渡っているときは爽快ですが、渡った後はちょっと大変でした。上の写真で分かるように川沿いの道路と沈下橋は高低差があり、橋を渡ったあと道路に出るにはかなり急な坂を登らなければなりません。自転車だとなかなか辛いところです。真夏だったので、坂を下りて橋を渡りまた上るということを繰り返したら汗だくになりました。とはいえ、素晴らしい景色を眺めながら日ごろの運動不足を解消でき、良い経験になりました。