米原まで一駅、何気なく通過してしまう人も多いのではないでしょうか。でもこの醒ヶ井駅周辺、なかなかいいんです。
駅の裏手には、美しい田園風景が広がっています。草の香りに虫の鳴き声、ホームに降りるだけでもすがすがしい空気に触れることができます。東海道本線で最も本数が少ない区間とは言え30分に一本はあるので、途中下車しやすい駅といえます。
醒ヶ井駅の駅舎は、すっきりしたデザインのなかなか立派な駅舎です。
駅のすぐ隣には「醒ヶ井水の宿駅」という観光施設があります。地元の特産品や、バイキングのレストランがあります。中はあまりじっくりと見ていないのですが、休日ということもあり、多くの観光客で賑わっているようでした。
駅前の広い道を渡り、旧東海道へと入ると、古い家並みが残っています。とはいえ、特に観光地化されているというふうでもなく、普通の民家が並んでいるという感じです。その家並みの途中に、大正時代に建てられた郵便局を利用した醒ヶ井宿資料館が建っています。
街道沿いには、美しい小川が流れています。この川に浮かんでいる藻は梅花藻といい、夏に梅の花に似た白い花が咲くという変わった藻です。この梅花藻を見に大勢の人が訪れるようです。スケッチをする人や一眼レフのカメラで写真を撮っている人を見かけました。
付近には小川を見ながらかき氷やところ天が食べられるお店もあり、夏の風情を感じます。クーラーの涼しさとは違う、心で感じる涼しさ、昔から日本人が求めてきた涼を感じることができる場所だと思います。
小川を少しさかのぼったところに居醒の清水があります。清水付近はフェンスがありますが、途中の小川は手や足を突っ込むことができます。予想を裏切らない、冷たくて気持ちの良い水でした。
散策を終えた後、駅前の道を渡ってすぐのところにある「喫茶 和洋食料理屋 かなや」で食事をしました。小さいながらも雰囲気の良いお店でした。梅花藻そばセットと豆乳レアチーズケーキを食べました。梅花藻そばには梅花藻を粉にして練りこんであるらしく、少し緑がかった色をしていました。味は特に変わった感じはしませんでしたが、コシがあって美味しかったです。チーズケーキはこの店のおすすめというだけあって絶品でした。舌触りは滑らかで、中に入ったラムレーズンがアクセントになっていてちょっと上品な味でした。
マスターはとても気さくな方でした。お話を聞くと8月上旬にオープンしたばかりということでした。「地元の人たちにくつろいでもらえるような、温かい雰囲気のお店にしたい」という意気込みも話してくださいました。ぜひまた行きたいと思いました。